焼酎を「麹ウィスキー」と読んではいけない理由


焼酎とウィスキーの違いは何なんだろう思っていたら、古酒「泡盛」で有名なヘリオス酒造からウィスキーが発売されていた。




最初にお酒の製造方法から追ってみた。もともと果実酒以外のお酒は穀物などから酵母で発酵させてアルコールを生成することによって作成。でも酵母は糖分をアルコールに変えることはできるけど穀物には「糖分」成分はなく代わりにあるのは「でんぷん」成分。これが果実酒との大きな違い。

でんぷん成分を糖に変える過程を糖化と言い、方法は一般的に二つあって、麹菌を使って糖化する方法と、麦芽と言う過程を経て自然に投下をする方法があります。麦芽には酵母(アミラーゼ)があり、これが糖化してくれます。

一般に

ウィスキー、ビールなどは「穀物→麦芽→アルコール」
焼酎、日本酒などは「穀物→麹→アルコール」

同じように麦を使っても作り方で「ウィスキー」になったり「焼酎」になったりするようです。

でも見た目にウィスキーと焼酎の大きな違いは色ですが、これは熟成させるときに使う貯蔵樽の材質で付く色でお酒の本質とは違う。ウィスキーは一般にオーク材なので木の香りや色が付くけど、焼酎は金属樽なので熟成させても色は付かない。

元々、焼酎はあまり熟成させないけど、泡盛みたいに熟成させるタイプの焼酎でも色が余りつかないのは保存を焼き物の樽?でしているためです。

それと国税庁から酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達で「木製の容器に貯蔵したしょうちゅう等を移出する場合の承認の取扱い」として

貯蔵後のしょうちゅう等を移出する際にして、当該酒類について光電光度計を用いて430ナノメートル(nm)及び480ナノメートル(nm)の吸光度をそれぞれ測定し、その着色度がいずれも0.080以下となるもの

これはウィスキーの数分の一の色かな、要は濃い色を付けちゃいけないと言う内容!!
おいおい、味と全然関係ないでしょう~~、流石、お役人仕事!!





なぜ日本では焼酎をウィスキーと呼ばないのか、呼べないのか?

答えは日本の法律、それも課税のために作られている酒税法の定義にウィスキーの製造法が決められているからです。味のためではないのですね、この制約は!!

内容は「発芽させた穀類、水を原料として糖化させて発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの

糖化する過程で麹を使うとウィスキーとは呼べない事になっている!!

しかし、アメリカでは焼酎を焼酎ウィスキーとして、また、カナディアンウィスキーなどの一部では麹を使ってるとか聞いた事があるような...

もちろん、スコッチやバーボンのようなブランドウィスキーは製造過程が厳密に定義されているから、麹は使っていませんが...


ウィスキー

古酒泡盛


どちらも沖縄県にあるヘリオス酒造が作っているウィスキーと焼酎(泡盛)でアルコール度数も同じ40%で、熟成は特徴のある木材樽を使って熟成させています。

見た目はほぼ同じ、でも中身は、「焼酎」と「ウィスキー」、味の違いは糖化過程が「麹」か「麦芽」か、樽の材質が「専用の樫樽」か「ラム貯蔵に使用したアメリカンオーク樽」か...

泡盛をウィスキー風味に熟成させた焼酎とウィスキーを直接、味比べ比較してみるといいのでしょうが、原酒の味はもう忘れてしまったので(笑)

ビール系飲料のそうですが、税金のためにお酒の分類を決めるのは本末転倒のような気がします。味を保つために製造法を規定するならまだしも...