退職を決めると気になるのが健康保険です。でもその時にならないと真剣には考えないのが現実ですが少しでも楽になる選択肢を準備しておかないと大変です。
退職後の健康保険の選択
①現在の健康保険を「任意継続」にする
②新たに「国民健康保険」に新規加入する
③家族の会社などの健康保険組合の「扶養」になる
今回、扶養の選択肢はないとすると後は保険料次第。健康保険料は4,5,6月の給料(交通費を含む)平均を元に計算されます。
それぞれの保険の特徴
[任意継続]
最大月額報酬は28万円で制限される扶養家族制度がある
期限は最大2年間
[国民健康保険]
報酬制限はない
扶養家族数に比例して増加
これだけ見ると月額報酬制限や扶養家族などあって一見、[任意継続]が一般に得になりそうですが...
逆に言うと給料が余り多くなく、扶養家族がなかったり、少ない場合は国民健康保険のほうが得になります。
任意保険は退職時の一定期間内に手続きしないと加入できないので扶養家族が増えそうな場合などは取り合えず[任意継続]という手もあります。実際には源泉徴収票などを持参すれば国民健康保険料は役所で調べられるので現、時点で払っている健康保険料の2倍と国民健康保険料を比べて決める事ができます。
ここまでは一般的な内容でしたが、退職時の状況によっては国民健康保険が断然に有利になります。それは退職理由!!
国民健康保険税の軽減措置
一般に退職時は退職理由として「会社都合」「自己都合」があります。「任意継続」では関係ありませんが、「国民健康保険」では退職理由によっては保険料が半端ないほど軽減されます。
保険料が軽減される条件
軽減されるのは一般に「会社都合」と呼ばれる場合と一部「自己都合」があります。
①離職日時点で65歳未満の方
②「雇用保険受給資格者証」の『離職理由』に記載されているコードが、
倒産やリストラなど
→特定受給資格者(11、12、21、22、31、32)
契約満了や正当な理由のある自己都合による離職
→離職特定理由離職者(23、33、34)
①②の条件を満たすと以下の軽減処理を受けられます。
保険料の軽減率及び期間
軽減率は以下の計算になります。
①前年の給与所得を「30/100」として算定した金額で国民健康保険料
国民健康保険は「所得割額」「資産割額」「均等割額」「平等割額」で計算されます。軽減は「所得割額」の部分になります。「均等割額」「平等割額」も条件によっては違う率で軽減されます。
「資産割額」は最近はなくなっている自治体もありますが、固定資産を払っていると払う事になります。逆に言うと持ち家だと保険料が高くなるます。
②適用期間は「離職した翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで」
適用期間はよくわからない表現ですが、要は離職した年度の翌年の年度末、つまり3月までで最大では2年、任意継続も最大2年なので合わせてあるのかもしれませんね。
最大に利用するには、例えば2020年3月31日に退職すれば
2019年4月1日~2021年3月31日
まで軽減処置が続きます。勿論、就職などして国民健康保険を脱退すれば軽減はなくなりますが、また退職しても、条件が合えば何回でも使えます。
国民健康保険の保険料は所得だけで決まらないので70%減にはならないですが少なくとも50%以下にはなると思います。独身なら会社で実際に本人が払っていた保険料より安くなると思います。
保険料軽減の申請
軽減してもらうには雇用保険受給資格者証が必要です。発行してもらうには、退職者が離職票を持ってハローワークいかなければなりません。しかし、会社から郵送される離職票は受け取るまで10日前後までかかります。時間的な関係から
①退職後、14日以内に国民健康保険に加入する
②ハローワークで雇用保険受給資格者証を発行してもらう
③国民健康保険の軽減手続きをおこなう
先に国民健康保険に加入していても保険料の軽減処理は、再計算されて失業日の翌日から適用されるので焦る必要はありません。