年金にかかる税金は複雑怪奇です。「ねんきん定期便」では「年金額」と一緒に、保険料や税金等を天引きした場合の「手取り金額」も提示してもらいたいものです。
所得税、住民税、国民保険等を払った後の最終的な手取りははっきり言って、年金額や家族構成によって変わってきるので正確にはかわかりません。そこで税の基本となる所得税だけでも計算してみたい。
特に年金以外の収入が将来的に出てきた場合、確定申告が必要になりますが、その時に焦らないようにどのくらい税負担が発生するかを知るために計算方法まとめてみました。
投資などを積極的に行っていないと一般の会社員には確定申告は医療費控除や住宅ローン控除の「申告」しか馴染みがなく、細かい税率などはわかりません。
年金所得者の確定申告不要制度
そのまま年金受給者になって確定申告が必要っていわれて大変。流石に国も考えたようで以下の特例があります。
公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告は不要。
このとき年金から特別徴収で天引きされている保険料は、「国民健康保険料」「介護保険料」「後期高齢者医療保険料」の3つあります。
扶養親族等申告書の提出
しかし、扶養親族等申告書を提出していないと折角の申告不要でも大損します。扶養親族等がいない場合でも提出しないと自分自身の基礎控除等も受けられなくなります。
「年金-所得控除額」に税率5.105%で源泉徴収
② 申告書未提出の場合
「年金」に税率10.21%で源泉徴収
確定申告が必要な必要になる場合
公的年金等収入が400万円以下、それ以外の副収入が20万円以下が確定申告不要になる条件ですが、それぞれの定義を正確に知らないと申告の有無がわかりません。
公的年金等の定義
① 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法などの法律の規定に基づく年金
② 恩給(一時恩給を除く)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
③ 確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金など
公的年金等以外の年金に係る雑所得の計算方法
収入金額-必要経費=雑所得の金額
収入金額とは公的年金等以外の年金収入金額+剰余金や割戻金
必要経費とは雑所得毎にいろいろ
確定申告したほうが得な場合
それでは税金が戻ってくる可能性があるよな事例としては以下のようなものがあります。① 家族構成が変わったとき
② 一定額以上の医療費を支払った
③ 国民年金などの保険料を振り込みで支払っている
④ 災害や盗難に遭った
⑤ マイホームを住宅ローンなどで取得/リフォームした
⑥ 日本年金機構からの扶養親族等申告書を提出し忘れたり、提出が遅れた人
実際の税率は
年金受給者が確定申告した場合の実際の税率は以下の通りです。65歳未満
公的年金等の収入金額 | 公的年金等に係る雑所得の金額 |
70万円以下 | 0円 |
70万円超130万円未満 | 収入金額-70万円 |
130万円以上410万円未満 | 収入金額×0.75-37万5千円 |
410万円以上770万円未満 | 収入金額×0.85-78万5千円 |
770万円以上 | 収入金額×0.95-155万5千円 |
65歳以上
公的年金等の収入金額 | 公的年金等に係る雑所得の金額 |
120万円以下 | 0円 |
120万円超330万円未満 | 収入金額-120万円 |
330万円以上410万円未満 | 収入金額×0.75-37万5千円 |
410万円以上770万円未満 | 収入金額×0.85-78万5千円 |
770万円以上 | 収入金額×0.95-155万5千円 |
これからの人生、年金だけではなかなか生活ができません。そのため、どうしても金融投資などで年金以外の副収入を得る事が多くなると思います。
自分で申告しないと場合によっては損をする税金申告ですが、どんな申告書類があるのか学校などで一度も教えてもらった事がないのも不思議な気がします。