欧州のDABが始まり、カナダもDABを採用、次は米国でもと期待されたのですが、さすがUSA、独自路線を突き進んでしまいました。
ベンチャー企業が2社ほぼ同時に衛星からデジタルラジオ放送の計画を発表して資金を調達し始めました。2社とはSirius社とXM satellite社。
どちらも衛星(PSK)から全米向けに電波を送信し、街中など電波が届きずらい場所は補完的に地上からデジタル放送(OFDM)を再送信するハイブリット型のデジタル放送です。
この2社の大きな違いはSirius社は周回衛星、XM社は静止衛星から電波を送信。補完用地上局は前者は大電力で局数を少なめに、後者は省電力で局数をやや多めに送信するというコンセプトでした。
衛星自体はSirius社が1年以上先行して打ち上げましたが、受信機が整わなかったため、結果的にはXM社の方が市場導入は成功した感じでした。
また、Sirius社は車メーカーと共同のOEMビジネスメインで市場導入を狙い、XM社は一般ユーザーをターゲットにした市販ビジネスから市場導入を目指しました。
どちらのビジネスも有料放送、米国ではCATVなどの有料放送が発達してるため、「有料」に関して、内容さえ充実していれば、それ程、ハードルが高くないようでした。
数年して、ビジネス的にはXM社が優勢になってきたように思えました。しかし、有料放送なので市場の規模はある程度大きくなると飽和気味になり、業績は頭打ち、さらに、同様な会社が2社あれば余計に、厳しい。
普通なら、どちらかつぶれるか、両社とも倒産する可能性があります。
そこはアメリカ!なんと、今まで敵対していた2社があっさりと、ほぼ対等合併して「Sirius XM」社ができてしまいました。一時的に2方式が両立して放送されましたが、今後の開発するシステムはXM satellite社のシステムに統一されています。
将来的にはSiriusの衛星を維持する必要がなくなるので放送設備のコストダウンが可能になりますね~~
流石、株主の論理、日本では考えられないダイナミックな動きです!!!
Sirius XMのデジタル放送は普通の放送と違っていて、100ch以上の音楽などの専用チャンネルが聞き放題(ただし有料)。イメージとしてはCATVが多チャンネルで放送されて、全米どこでも同じ放送が聞けるという画期的なコンセプトのラジオシステムです。
これでアメリカのデジタル放送は安泰化と思えそうですが、そこはアメリカ、これからが本当のデジタルラジオの覇権争いがHD Radioと勃発します。
そこでSirius XMでは『Online Streaming』でも、つまり、スマホなどでも聞けるようにして新しい分野を開拓しています。
以前、聞いた話では少なくとも米国発行のクレジットカードがないとオンラインは使えなかったみたいですが.....